これから新規クリニック開業をしようとしているドクター、開業場所が中々見つからないドクター、内装費は本当に適切な数字なんだろうかと思っているドクター、色々なお悩みにお答えいたします。
診療圏調査

季節外れの大型台風が襲来しましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

被害にあわれた方には、お見舞いを申し上げます。

 

私は、稲刈りの季節になったので、毎週、加須へ稲刈りの手伝いに行っております。

今年は、土日に雨の降る日が多かったので、私が借りている田んぼの雑草取りが出来ず、雑草の育ちが良すぎて、その分稲の育ちが悪く収穫量は昨年の半分以下ではないかと思います。

今年も、無農薬・無化学肥料の農業が難しい事を思い知らされました。

 

先日、15年前、都内で開業をお手伝いした内科のA先生と3年ぶりに会食をしながら情報交換を行いました。

どこの施設も同じですが、職員同士の仲が悪くてどう対応して良いか、頭を悩ましているとの事でした。

 

また、昨年、近くに競合施設が2件で来て、少し患者が減少してきたとの事でした。これは、都内で良く聞くことなので防ぎようがないため、アドバイスに苦労するのですが、私のノウハウを話して実行して頂くようにアドバイスを行いました。

 

それでは、本題に入ります。

今回は、診療圏調査の事について書きます。

 

診療圏調査は、一般の企業が行ういわゆる市場調査と言われるものです。考え方の基本は、この場所で開業して経営ができるかについて、その地理的状況や競合施設、人口動態を調査し1日の推定外来数を計算して、開業の可否を決定します。

この結果は、事業計画の策定や金融機関の融資の可否等の判断にも大きく関わってきますので、もっとも重要な資料となります。

 

現在、診療圏調査は殆どの会社がパソコンのパッケージソフトを利用して調査を行っておりますが、人口データが古く受療率のデータが先生方の開業スタイルに合っていない他、現地調査で競合施設の情報収集を行っていない等により、その正確性及び適格性に大きな問題があり、市場調査書としては利用に適していないと思います。

 

診療圏調査を行わないで、開業場所(物件)を決定することは、あり得ません。なぜなら、開業に適した場所かどうかを調査して医業戦略を策定して、初めて前に進めるからです。それには、詳細な調査が必要です。

まず、手順としては次の通りです。

 

1.診療圏の設定

まず、おおよその診療圏を設定します。診療圏とは、自院に患者さんが来ると思われる地理的な範囲言います。診療圏の設定は、各種の要素や条件を加味して決める必要があります。単純に、自院を中心に半径1kmとか2kmと決めることは間違いです。

その開業場所(物件)の地理的状況(道路、鉄道、川、丘陵、湖等、診療圏分断要因)、社会的環境(人口、住宅、交通状況等)を考えて決める必要があります。

 

2.競合施設の調査

  診療圏の範囲と思われる中のから、競合と思われる施設をリストアップします。リストアップした施設は、下記 

 の項目を調査します。

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 年齢

 診療科目

 た芭貼蠏疎屐憤豸遊、テナント)

 コ業日

 診療時間

 評判

 

3.人口計算

候補地の直近の1歳刻みの夜間人口データを5歳刻みに区分して計算し、その人口へ昼間人口比率をかけて昼間人口を計算します。

人口は、人口構成比率から計算するのではなく、必ず1歳刻みのデータを入手して計算を行うことです。その理由は、駅前に近い候補地と住宅地とでは人口構成が違うので、人口構成比率から計算すると候補地の実際の人口と相違が出てくるからです。

 

4.受療率の計算

  受療率表には大分類と中分類、小分類があります。受療率を計算する場合は必ず小分類を使用して、自分が診

  療する項目を抽出して下さい。これを行うことにより、自分が診療する範囲の受領率が計算されます。

  新規開業のコンサルタントを行っている会社の診療圏調査書を使用する場合は、必ず小分類を使用して計算し

  た調査書であるか、確認を行うことです。

 

5.推定患者数の計算

「3.人口計算」で算出した5歳刻みの診療圏人口(夜間人口)に、「4.受療率の計算」で算出した受療率をかけると、夜間の1日の推定患者数が計算されます。この数字に、昼間人口比率をかけると、1日推定患者数が計算されます。

 

6.市場参入余力

 「5推定外来数の計算」が終了後、開業候補地にあと競合施設が何施設、来ても大丈夫かを計算します。この計 

 算を行わないと、開業して3〜4年で、競合施設が来て受診者が減少し、じり貧になる場合があります。     実際、都心部では経営が軌道に乗ったと思ったら、競合施設が来て受診者がじり貧に陥っている施設が見受け

  られます。

 

 冒頭に書きました15年前に開業のお手伝いを行いましたA先生の「市場参入余力」は4施設でした。開業後 

 3年前までに競合施設が3施設、新規開業しました。それまでは、患者の減少はなかったのですが、昨年、競 

 合施設が2施設出来てから、患者が少し減少したようです。

 15年後に、患者が減少するのは仕方がない部分もありますが、開業して3〜4年後に競合施設が来て患者が

 減少すると、借入金が多い場合は経営的には苦しくなると思います。

 

 この「6.市場参入余力」は、新規参入する場合既存の施設と患者の取り合いをなくすか少なくするためと、

 早く月間で黒字化するため、どのような計算をして開業場所を決定すれば良いかを考えて出した項目です。  

  これは、私が考えた開業候補地の適否を判定する重要な指標の一つなので、ノウハウを開示することは行って

  おりません。ご了承いただきたいと存じます。

 

8.聞き取り調査

「5.推定外来数の計算」が終了した後、診療圏と思われる周囲の住民からの「聞き取り調査」を行います。

 聞き取り調査は、実際に診療圏周辺を車や自転車、徒歩などで、地域住民から競合施設の評判やどこ施設に通院しているか等の現状を聞き取りします。聞き取り調査は、非常に重要な調査ですが、ほとんどの会社やコンサルタントは、聞き取り調査を行っておりません。

これでは、競合施設の状況が把握できず、医業戦略や戦術の策定で競合施設との差別化図ることが出来ません。

 

8.開業の可否の決定

開業の可否を決定するためには、「5.推定患者数の計算」で算出した1日推定外来数と「6.市場参入余力」及び「8.聞き取り調査」を見て、開業の可否を総合的に判断します。

何度も書きますが、パソコンソフトで書かれた診療圏調査書は利用しないことです。また、診療圏調査は実績のある会社へ依頼することが、開業の成功の重要なポイントになります。

 診療圏調査は、開業が成功するかどうかの重要な資料になりますので、詳細に行って下さい。

 

重要な部分なので、長くなりました。

次回は、内装工事と医療機器について書きます。

 

 お読みいただきまして、有難うございます。

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